利己主義の果て
昭和49年(1974年)「カトリック名古屋教区報」
編集後記(4)
子どもにも大人にも人気があるNHKの番組「刑事コロンボ」。私も、この「コロンボ」のファンの一人だが、これを見ているうちに、画面には表れていない別の視像を見ている自分に気がつく。多くの犯罪が、地上的幸福、征服と支配、自分の幸福への過剰な努力の動きに見える。利己主義...自分だけの幸福を追求する間違った方法は、ついに、犯罪と関わり合う。人間が人間的幸福を追求して走りまわる...私もそうだ。頻繁に利己主義に陥りそうになり、もがいている。日常生活の中、私も利己主義との小さな戦いで苦戦している。
キリストは、地上の世界に「何をどう求めるべきか」を教えるため、信仰と愛の果てには何があるのかを教えるため、幼児として、十字架の向こう側の復活をたずさえてやって来られた。コロンボ刑事よりも貧しい姿で。